BSドキュメンタリー シリーズ 世界はこうしていじめと闘う
いじめを報告せよ  〜韓国・ソンウォン中学の取り組み〜  

韓国でも小中学校の“いじめ”が深刻な社会問題になっている。1990年代初めまでは「イジメ」とハングルで書かれ、「集団での嫌がらせ」などの解説がついていたが、後に「ワンタ」という言葉も生まれるほど深刻化している。
“い じめ”の増加に伴い、教育人的資源部(教育部)は、2004年、「学校暴力法」を制定し、本格的な対策に乗り出した。学校暴力法による対策の基本は、監視 と取り締まり。“いじめ”の事実を知った者は、教師や校長などに「申告」する義務がある。通報を受けた学校は、被害者の生徒の保護者らと「対策自治委員 会」を設置し、いじめた生徒を処分するなどの解決を迫られる。学校内で解決がつかなければ、加害者の生徒の逮捕など、警察も介入してくる。教育部は、さら に去年から、退職警察官や父母らが校内をパトロールする監視制度を、全国100校のモデル校で導入し始めている。
“いじめ”への対策と予防に取り組むソウルの中学校を取材し、取り締まりを基本とした韓国型“いじめ”対策の成果と課題を見る。