「魂をゆさぶる歌声」が多くのファンを魅了してきた。
東京生まれ。1983年東京での連続リサイタル「All about Chon Wolson」での鮮烈なデビュー以来、オペラ『人間の声』『フィガロの結婚』『サロメ』『蝶々夫人』『ねじの回転』など、次々とオペラ主演を果たす。またヤナーチェックフィルやソフィアフィルなどの名門オーケストラとの共演、ルーマニア国立オペラでの主演など世界各国でオペラやコンサートに出演し、絶賛を博す。またデビュー以来歌い続けているコリア歌曲においては「朝鮮・韓国歌曲がオペラのアリアと同じレベルで紹介されたのは彼女のリサイタルをもつて嚆矢するのではあるまいか」などと高く評価されている。
1994年にはソウル定都六百年記念オペラ『カルメン』の主役として韓国で初舞台(芸術の殿堂オペラハウス)。1985年のピョンヤン公演と併せ「初の南北コリア公演」として話題を集めた。1998年には日本文化開放に揺れるソウルで初めて公式に日本語の歌を歌う。2002年サッカーW杯日韓共催時は小泉総理主催の金大中大統領歓迎公演で独唱。日本・韓国・北朝鮮の首脳の前で独唱した唯一の歌手となる。またグランドオペラ『春香伝』の春香役は数回にわたり演じており(世宗文化会館・東京文化会館・新宿文化センターなど)、当たり役として高い人気を集めている。2006年には初の著書『海峡のアリア』が小学館ノンフィクション大賞優秀賞受賞。その後も『禁じられた歌 日本と朝鮮半島音楽百年史』(中央公論新社)、『K-POP遙かなる記憶』(小学館)の出版など日韓の音楽研究家としても活動している。
2007年以降はリサイタルシリーズ『海峡のアリア』を続けており、その「祈り」とも言える独特な歌のスタイルは静かな反響を呼んでいる。代表曲『高麗山河わが愛/山河を越えて』は特に人気が高く、韓国KBS「日曜スペシャル 高麗山河をさがして」、韓国MBC「成功時代 統一を歌うプリマドンナ」、TBSNEWS23「田月仙ライブ」など日韓のテレビで数多く紹介された。またその歌手人生はNHK「海峡を越えた歌姫」(90分)、韓国KBSスペシャル「海峡のアリア・田月仙30年の記録 KBS스페셜 해협의 아리아 -전월선 30년의 기록(2013年・60分)などで放映され、いずれも国内外に大きな反響を呼んだ。
二期会会員。
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