日韓の美しく力強い歌を--田月仙さん


 「ドラマや映画ほどではないけれど、新たな『韓流』ブームの兆しを見せているのがアリランをはじめとする韓国の歌」と話すのは、在日韓国人2世のソプラノ歌手、田月仙(チョンウォルソン)さん。韓国の実力派歌手、金恩珠(キムウンジュ)さんやソウル市合唱団メンバーらを迎え、10月1日午後5時から、東京・新宿の東京オペラシティで開かれる日韓合同コンサート「友情の花束」をプロデュースするとともに、自身も舞台に立ち、祖国の歌手らと競演する。
 25歳でデビューし、歌手生活22年。韓国政府が日本の大衆文化の段階的解禁を発表した98年秋、祖国で日本語の歌を熱唱した。「当時は『曲目は童謡や歌曲に限る』など制限があり、二つの国には歌一つ歌うのにも壁があると痛感した」という。以来「歌を通じて相互理解を」が大きな目標に。
 当日は「春香伝」「沈清伝」といった韓国の名作オペラの一部が披露される。日本側はテノール歌手の羽山晃生さんらが出演し、田さんを中心にした日韓デュエットもある。「日韓の美しく力強い歌を楽しんでもらえれば」。詳細は事務局へ。


毎日新聞 2005年9月